★三世諸仏(さんぜーしょぶつ) 依般若波羅蜜多故(えーはんにゃはーらーみーたーこー) 得阿耨多羅三藐三菩提(とくあーのくたーらーさんみゃくさんぼーだい)
三世諸仏も般若波羅蜜多に依るが故に 阿耨多羅三藐三菩提を得たまえり
◎過去・現在・未来に存在するすべての仏も、こだわり無き智慧を拠り所としているため、この上なき正しい完全な悟りを得ることができました。
三世とは過去・現在・未来のことです。阿耨多羅(あのくたら)はこの上ない、三藐(さんみゃく)は正しい、三菩提(さんぼだい)は完全な悟りを意味し、静寂な智慧を表します。
★故知般若波羅蜜多(こーちーはんにゃはーらーみーたー) 是大神呪(ぜーだいじんしゅー) 是大明呪(ぜーだいみょうしゅー) 是無上呪(ぜーむーじょうしゅー) 是無等等呪(ぜーむーとうどうしゅー) 能除一切苦(のうじょーいっさいくー) 真実不虚(しんじっふーこー)
故に知る般若波羅蜜多は、これ大神呪なり、これ大明呪なり、これ無上呪なり、これ無等々呪なり、よく一切の苦を除き、真実にして虚(むな)しからず
◎故に知る囚われることのない智慧は、これ偉大なる神通力を有する呪(真言・マントラ)である。これ無明(むみょう)無き大いなる知恵の呪(真言・マントラ)である。これこの上なき優れた呪(真言・マントラ)である。これ他の何ものにも等しいものが無いものに等しい、すなわち比べるものがない願いの呪(真言・マントラ)である。必ずやすべての苦悩・迷いを取り除き、真実で偽りの無い世界に導かれます。
迷いにとらわれることなく、真実に近づけば、さらに素晴らしい世界が開けることでしょう。
★故説般若波羅蜜多呪(こーせつはんにゃはーらーみーたーしゅー) 即説呪曰(そくせっしゅーわつ)
故に般若波羅蜜多の呪を説く。即ち呪を説いて曰(いわ)く。
◎では、囚われ無き智慧に至る呪(真言・マントラ)の言葉を示しましょう。その呪(真言・マントラ)は次のように言われます。
★羯諦羯諦(ぎゃーてぃぎゃーてぃ) 波羅羯諦(はーらーぎゃーてぃ) 波羅僧羯諦(はらそうぎゃーてぃ) 菩提薩婆訶(ぼーじーそわか)
ぎゃてぃ ぎゃてぃ はらぎゃてぃ はらそうぎゃてぃ ぼじそわか
志す者よ 志す者よ 智慧の完成を志す者よ 智慧の完成を共に志す者よ 悟りの真理に幸いあれ
◎弘法大師(空海)は「真言は、不思議なものである。本尊を観想しながら唱えれば無知の闇が除かれる。わずか一字の中に千理を含む。この身のままで真理を悟ることができる。」と記しています。
本来真言は、繰り返し唱え心の安らぎを得るものであって、般若心経を翻訳(漢訳)した玄奘(げんじょう)は、サンスクリット語のマントラ(真言)を訳出せずに、原文のもつ『ことばの響き』をそのままに伝えようとしました。繰り返し唱え呼吸法を身に着けていただければ真言の持つ力が体感できることでしょう。
★般若心経(はんにゃしんぎょう)
◎ここに、囚われ無き智慧を説いた心の経を終わります。
府南寺本尊の真言 阿弥陀如来・・・オン アミリタ テイゼイ カラウン
千手観世音菩薩・・・オン バザラ タラマ キリク
本尊の前では、合掌しそれぞれのご真言を唱えていただき、本尊と一体となることを観想してください。 合掌