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般若心経⑥

★菩提薩埵(ぼーだいさったー) 依般若波羅蜜多故(えーはんにゃはーらーみーたーこ) 心無罣礙(しんむーけいげー)

菩提薩埵(ぼだいさった)は、般若波羅蜜多に依るが故に 心に罣礙(けいげ)無し 

◎悟りを求めて修行に励む人々は、こだわりなき智慧を拠り所とするから、心に妨げ・こだわり・迷い(罣礙)がありません。
菩提薩埵は、略して菩薩とも言い、ここでは観音菩薩のことであり、般若心経を唱えるあなた自身のことでもあります。
こだわり、迷いの原因を取り除いて自然な流れに身を任せ自由な心を物差しにしているから、自我意識とならないのです。

★無罣礙故(むーけいげーこー) 無有恐怖(むーうーくーふー)

罣礙(けいげ)無きが故に 恐怖(くふ)あること無し

◎心に妨げ・こだわり・迷いが無いから恐怖心と不安がありません。

恐怖の代表として八風(はっぷう)があります。八風とは、仏の教えに基づいた修行を妨げる8つの恐怖のことを言います。人間が求める4つの四順(しじゅん)と、人間が避ける4つの四違(しい)とからなります。

四順

利い(うるおい)‐目先の利益
誉れ(ほまれ)‐名誉をうける
称え(たたえ)‐称賛される
楽しみ(たのしみ)‐様々な楽しみ

四違

衰え(おとろえ)‐肉体的な衰え、金銭・物の損失
毀れ(やぶれ)‐不名誉をうける
譏り(そしり)‐中傷される
苦しみ(くるしみ)‐様々な苦しみ

八つの恐怖(欲望と恐怖心)から解放された自由な心でありたものです。 

★遠離一切顛倒夢想(おんりーいっさいてんどうむーそう) 究竟涅槃(くーきょうねーはん)

一切の顛倒夢想を遠離して 涅槃(ねはん)を究竟(くきょう)す

◎すべての真理に対する逆さまな空想観念・妄想から遠く離れて、静かな悟りが完成します。涅槃とは煩悩が消し去られた悟りの境地を言います。
人間の心の救いという視点から見れば、現実の社会は、真実とは逆の見解にとらえられたり、意味のない妄想をする観念・考え方が主流になっています。人生は、妄想を捨てる智慧を持ちたいものです。

 

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