下の写真は1月15、16日の府南寺の雪景色です。
雪は「あめかんむり」に「ヨ」と書きますが、「ヨ」は「彗(ほうき)」を表し、空から降って万物を掃き清めることを意味します。
今回の降雪によって、いつもより作務は増えますが、初観音(1月18日)の護摩法要を控え、府南寺の境内も白く清められたような気が致します。もちろん、この雪で大変な思い、ご苦労された方も沢山お見えになるでしょう。また、無邪気にはしゃいだ子供たちも沢山いることでしょう。「自然」の及ぼす力に対しては、人は「ただただ受け入れるしかない」と言っても過言ではありません。
弘法大師【空海】は、様々な方面で卓越した能力を発揮されましたが、常に過酷な「自然」と向き合い、人々の生活の為に祈ることの大切さを説きました。その中でも特に「自然」との調和・融合を重要視されました。平安時代に大師が建設されたとされる日本最大の灌漑の為の「ため池」である「満濃池」は、日本で最初にノーベル賞を受賞された湯川秀樹博士も絶賛するアーチ形に建設されており、1200年の年月を経た現在も人々の為に役立っています。唐で学んだ土木・建築学を実践し、常に人々の心に寄り添い、平穏な世の中を祈り続けた弘法大師の一端を垣間見ることができます。
真言宗【弘法大師の教え】では、「自然」【地・水・火・風・空】の力に対しては、決して逆らわず、不平不満を抱かず、調和・融合することを大切にし、人々の生活の為に祈ります。人は、心の持ち方【識】次第で大変なことも教訓として捉えることができ、寛容性を身に着け成長することができます。延いては、「自然」に感謝し「自然」の恵みを感じることができるようになります。
合掌