補陀落山府南寺 ご詠歌
いろづくや 上寺山の 岸の松 風の音して 穐(あき)をしらせむ 花山天皇
補陀落山府南寺のご詠歌として、和歌の才能に秀でた花山天皇が出家し法皇となり、当山を観音巡礼された際に詠まれた御製(ぎょせい)の和歌が残っております。
補陀落山府南寺は、天正の兵火後、泰平山無量寿寺と合併され、現在泰平山府南寺となっておりますが、南方の観音山に補陀落山府南寺跡としてその地は残っております。当山は、国府(こう)の観音とも、上寺(うえでら)の観音とも言われ、聖徳太子が刻んだとされる千手観世音菩薩の前に太子自らがお手植えされた松があり、その名を『岸の松』と称しておりました。
補陀落(ふだらく)とは、『観音様が降り立った所、観音様の住まい』という意味があります。同様の意味で『圓通受(えんつうじゅ)』という言葉がありますが、その額が現在の泰平山府南寺の観音堂に掲げられております。『府南寺について』の『境内ご案内』の写真をご覧下さい。
歴史の重みと自然の恵みに感謝致すと共に、皆様に観音様のご加護がありますよう御祈り申し上げます。
千手観世音菩薩 真言
オン バザラ タラマ キリク 合掌
写真は、現在の泰平山府南寺の紅葉