今、日本人は一日に何回手を合わせる機会があるでしょうか。私は、朝のお勤め、掃除の後NHKの朝ドラを楽しみに見させて頂いております。ところが、『ごちそうさま』では、食前・食後に登場人物が手を合わせることはありませんでした。頭は下げるのですが・・・。仏壇の前では手を合わせるシーンはもちろんあります。
食前・食後に手を合わせることは、仏教的要素(命をいただくという感謝の教え)があるからダメということなのでしょう・・・。本来、神社仏閣への参拝の際にする合掌も、災難なく穏やかな日頃の生活に感謝をするためにするものです。その習慣が、心をリラックスさせ、結果的に良い方向に向かう好循環が生まれると思われます。
手を合わせる行為は、体内のエネルギーを循環し、気を向上させ、自身の気持ちを落ち着かせる働きがあると言われます。無垢(むく)な子供達が、手を合わせてから食事をする姿を見て、どのようにお感じになられますか。決して不愉快なものではありません。むしろ私は、心が洗われる気持ちにさえさせてくれます。「無垢」とは、梵語(サンスクリット語)で汚れの無い純真な事を意味します。
日本人の忘れかけられた ささやかな 心を育むよき生活習慣が、家庭内を穏やかにし、強いては社会をも落ち着かせ、犯罪、陰湿ないじめをも無くす一つの布石になるのではないでしょうか。
合掌