非常に残念なことがわかってまいりました。「国府阿弥陀如来」を騙(かた)る寺で模造の仏像が「市指定文化財」あるいは「有形文化財」であるといった虚偽の内容が府南寺の国府阿弥陀如来の縁起の盗用と共に流布されております。情報の信憑性(しんぴょうせい)に関しましては十分に気を付けていただければと思います。文化財という付加価値をつければ一般の方は信用してしまうだろうとの思いで発信されたのでしょうが嘘の上塗りは仏に仕える身として本当に恥ずかしいかぎりです。国府の阿弥陀如来は伊勢国府の国(現在の三重県鈴鹿市国府町を中心とする広域)の氏仏秘仏です。
文化財課に問い合わせましたところ「そのような指定はありません」と呆れておられましたが取り締まることが非常に難しいとのことでした。
寺院は3つの種類に分けられるといいます。檀家寺、観光寺(元々は信仰寺)、そして府南寺のような信仰寺の3種類です。お寺の存続が危ぶまれる中現在はもう1種類生じているように感じます。 ご利益(りやく)ではなくあの手この手を使い仏様を出しにして利益(りえき)を求めることを第一とする商売寺(元は信仰寺?)が存在するように思われます。僧侶は布施の意味をしっかりと理解し、宗教活動、仏様を決して単なる金儲けの手段とすることがないようにしなければなりません。そして常に神・仏が見ておみえになると観想し、襟を正して仏様と向き合い日々精進したいものです。合掌
【秘仏】国府阿弥陀三尊(阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩)が奉安されている厨子(ずし)