毎年、国府小学校の6年生が勉強会に訪れてくれるのですが、3年前から担任の先生を通じて、子供たちには、書写の時間を使っていただき、「日頃考えていること、或いは、大切に思っていることを自由に書いてもってきてください」とお願いしてありました。
どの作品も本当に丁寧に書かれており、書いている時の様子が手に取るように伝わってきます。「日頃の書写の時間より一生懸命取り組んでいました」と担任の先生からお聞きすると、それだけでも意味のあるものになっているのかなと嬉しく思います。
書いてもらった「書」を元に「自利」と「利他」、そして「自力」と「他力」両方の大切さをお話させていただき、その翌日、観音堂の回廊に張らせていただきました。
6年生が来寺して二日後に2年生51名が来てくれました。2年生の子供たちは、仁王門の中に安置されている国の重要文化財である金剛力士に迎えられ、本堂前では、狛犬に迎えられます。本堂に入ると、本尊である千手観世音菩薩は、秘仏であるため扉が閉ざされているのですが、その脇侍(毘沙門天と勝軍地蔵尊)に守られています。子供たちは、毘沙門天(正義の象徴)が邪鬼(悪の象徴)を踏みつけている様子を見て驚きを隠せませんでした。このように本尊(観音様)は多くの神仏に守られているのですが、当の観音様は、1400年もの長い間人々を見守り続けていることをお話させていただきました。
2年生にとっては、少し怖かったかもしれませんが、帰りは、回廊に張られた6年生の書いた「書」を眺めながら楽しそうにしていました。6年生になったら、またお会いしましょう。合掌