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一心(いっしん)は本(もと)より

 コロナウィルスが世界中で猛威を振るい日々の生活が過度の不安に駆られるようになりました。今私たちができる予防を考えると手洗い、うがい、外出時のマスクくらいでしょうか。
 ところが必要以上に心(意)を不安にするような情報(毒)が日々入ってきます。また自己中心的な言動をする人物(猛毒)も出始めました。ある意味こちらの方が始末に負えません。では心を不安のない安らかな状態に保つためにはどうすればよいのでしょう。

    情報は眼(げん)、耳(に)、鼻(び)、舌(ぜつ)、身(しん)の五感で受け取り意(い)に入ってきます。六根清浄(ろっこんしょうじょう)という言葉もありますが、般若心経では眼、耳、鼻、舌、身、意という六つの根っこ のフィルターを常に綺麗にして毒となる情報を取り入れない、毒となる情報に振り回されない、そしてそれらは決して常ではない(空である)ことを説きます。常日頃から六根を清浄にしておくという心掛けこそが、過度な情報に振り回され心乱すことなく心を安定させ不安になることを防ぐ手段となることでしょう。

 弘法大師(空海)は秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)の中で

波浪(はろう)の滅生(めっしょう)は ただし これ水なり

一心(いっしん)は 本(もと)より 湛然(たんねん)として 澄(す)めり

と説いています。

 海、湖を想像してみてください。水面は暴風雨にさらされ波立つことがあります。しかし水の本質は変わらず、深海、湖の底は澄み切って静かな状態が保たれ水面もいつかは鏡のように静かになります。

 一心(信じる心)は、悩み・不安な気持ちを取り除き心を清く静かに澄み渡った状態にし あなたを常に守ってくれます。本来だれもが仏の心を持っているのですから。

   日本全国各地には、何百年或いは一千年以上に渡ってその地を見守り続けてこられた氏仏(観音さん、お地蔵さん等の菩薩)或いはお大師さんがお見えになります。これらの仏様に対し日頃 手を合わせること(大きな災難なく生かされていることに感謝する習慣)もなく蔑ろにされているようでしたら、散歩のついででも構いませんので少しの間立ち止まり仏様或いはご自身の先祖のお墓がある方向に向かって手を合わせ 心を整える(日頃「当たり前?」のようにできたことができなくなったことへの不平不満ではなく、できることへの感謝の気持ちを持つようにする)ことをお薦めします。

地蔵菩薩(お地蔵さん)の真言

オン  カカカ  ビサンマエイ  ソワカ   合掌

中央右 弘法大師(右手に五鈷杵、左手に念珠)

 

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