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『求道者』
  •     猛暑の中、四国から86歳になる私の叔父佐藤令宜大僧正(仁和寺第48世門跡)がお墓参りを兼ねて府南寺に来寺されました。府南寺の住職に就任以来私のことを常に気にかけてくださり、私には「本尊様を拝んで、拝んで、拝んで、とにかく拝むことを第一にしていれば必ず本尊様は答えてくださる」とアドバイスしてくださいます。近年は、商売感覚で寺院を運営するところが多く、「拝む・唱える」ことの大切さを説き、それを実践している僧侶は少なく、三重県内にはほとんどいないと言っても過言ではありません。「本尊を拝む」ことの大切さを臆することなく助言してくださる叔父には畏敬の念しかありません。その日は二人でお墓に樒を供え、お経を上げさせていただきました。一方で近所にお住いの幼馴染の方と本当にフランクにお話しされ、気さくな一面を覗かせておられました。

 将棋の羽生善治九段がYahoo!JAPANのRED Chairという企画でインタビューに答えています。「羽生善治を構成している要素は?」という質問に「自然」「普通」「意志」「流れ」「調和」と表現されていました。まさに空海(弘法大師)が大切にされている心境そのもので驚かされました。般若心経では「時間」についても説かれているわけですが、羽生九段は精神状態が良くないとき「時間」が解決することの重要性にも言及されていました。「才能は枯渇する?」の質問に対しては、それは無い「人間が持っている能力を使い切るには、人生の方が短い」と力強く答えておられました。以前杉本昌隆八段とお話をさせていただく中で「将棋は将棋道です」と聞かされておりましたが、まさに羽生九段は「求道者」であると実感しました。羽生九段の将棋道の思考が仏道とくに空海(弘法大師)の教え(密教)と重なる点が多分にあることを見出すことができました。是非Yahoo!JAPANの「RED Chair」の羽生善治九段のインタビューをご覧ください。合掌

羽化したばかりの金色に輝くクマゼミ(境内にて)

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