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「懴悔文」(さんげもん)の理解と実践

 寒さが徐々に和らぎ、うす暗い本堂の中に、開放された東の扉から心地よい「日の出の光」が、少しずつゆっくりと差し込んでくる季節となりました。昇る太陽の光を全身に浴びながら、1年の中で最も太陽仏(大日如来)、太陽神(天照大神)の恵みを、お勤めの最中に肌(触)で感じとることができる時間でもあります。

    約1時間30分程のお勤めを終え、境内の掃除をしておりますと、春の訪れを告げるウグイスの囀り(さえずり)も聴こえてまいります。毎年鳴き始めは、あまり上手とは言えませんが、それが何とも自分と重なり微笑ましくもなります。なんと心穏やかな落ち着いた時間と空間を過ごせることか、観音様のご加護(かご)というものなのでしょうか。

 私利・私欲にまみれた人間の業と欲が、世界では取り返しのつかない状況を招こうとしております。府南寺にも様々なトラブルを抱えた方がお見えになります。一日の僅かなひととき、せめて一週間に一度、心を整える時間を持つ習慣を世界中の人々が身に着けることができたなら。

 リーダーシップを取るポジションにありながら私利・私欲にまみれ、自分の愚かさに気づくことなく災い事を起こす人間は、決して懺悔(さんげ)をすることはありません。また、良い「ご縁」に恵まれることもありません。

    しかしながら、長い歴史が紡いだ正しい宗教感覚を身に付け、毎日「懺悔」文を唱える人は、お互いを気遣い慈悲の心を備えた穏やかな人間関係を築けることができるようになってまいります。そして、いつしか良い「ご縁」に恵まれ、仏のご加護を受け、ひいては周りに庇護(ひご)を授ける側の人物になることでしょう。

     そして、掛け替えのない歴史が紡がれていきます。

「懴悔(さんげ)」

我昔所造諸悪業(が・しゃく・しょぞう・しょあくごう)

皆由無始貪瞋痴(かい・ゆ・むし・とんじんち)

従身語意之所生(じゅう・しんごい・し・しょしょう)

一切我今皆懴悔(いっさい・が・こん・かい・さんげ)

 日本という国も本来の「仏の教え」が行き渡らない生きにくい国になりつつありますが、「教え」を身に着けるのに早い、遅いはありません。「懴悔」文はもとより、「般若心経」、「観音経」を唱える習慣を身に着けていただけたらと切に願います。合掌

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