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布施(ふせ)

 お金が欲しい、名誉、地位も欲しい、遊ぶ時間も欲しい、五感(見るもの、聞くもの、臭うもの、味わうもの、触れるもの)に感じる自分の嗜好に合ったすべてのものを欲しがる。人間にとってささやかな欲は、生きる楽しみ・糧となり生活を潤す場合もありますが、度を越えた独りよがりな欲は、執着となり損得勘定でしか物事が考えられなくなります。挙げ句の果てに人間関係を壊し、自分自身をも壊してしまいます。そのことに自分自身で気が付かない限りいつか取り返しのつかない状態がやってきます。絶大なる視聴率を誇ったドラマ「半沢直樹」の中で大和田常務の名言に「施されたら施し返す」がありました。果たしてどれだけの今の日本人が「施す」という言葉の意味を理解しているのでしょう。台本にはない香川照之さんのアドリブらしいのですが、今の日本社会が見失っている精神性を憂いて思わず出たアドリブだったのでしょうか?

 六波羅蜜の六つの菩薩行の中で、一番大切であると説くのが「布施;施すこと、分かち合うこと」です。「布施」と聞くと坊さんに渡す高額なお金という認識が強い方がおられます【修行経験のない僧侶、住職は、本来の「布施」の意味を履き違え、自身の利益(りえき)を優先した≪高額な金額を提示をする商売寺≫が多く見受けられるようになりました。その結果在家の方の「布施」に対する印象が悪くなってしまっていることは否めません。ひいては仏教の本来の教えが伝わりにくい状態を引き起こし日本人の仏教離れを引き起こす原因のひとつになっていると言っても過言ではありません】。あくまでも宗教活動は、施す側の自由意思に基づく「施し」でなければならない本来の「布施」の意味と現代人が捉えている「布施」意味には大きな隔たりが生じているように思われます。

 六波羅蜜を3つに分けると「自利」、「利他」、「解脱」に分けることができます。「利他」とは他人に対して利益(りやく)となるような行動をするという意味です。「布施」は「利他」に含まれます。もちろんその中には金銭、品物などの財を施す「財施(ざいせ)」も含まれますが、それ以外に「法施(ほうせ)」(お経を唱え、仏の教えを説くこと)、「無畏施(むいせ)」(人に恐れの念を起こさせないこと。また不安な気持ち、恐怖心を取り除くこと)があります。また以下に示す財を伴わない「布施」に「無財(むざい)の七施(しちせ)」があります。

1.眼施(げんせ):温かく優しい眼差しで人に接すること。

2.和顔施(わがんせ)(和顔悦色施):笑顔で人に接すること。

3.言辞施(ごんじせ):優しく、時には厳しく叱る愛情のこもった言葉遣いをすること。

4.身施(しんせ):自分の身体を使いできることを奉仕すること。

5.心施(しんせ):心配り・気配り、思いやりの心を持ち、相手の立場になってみること。

6.床座施(しょうざせ):座る場所を譲ること。立場、地位を譲ること。

7.房舍施(ぼうしゃせ):心安らぐ居場所を提供すること。休息の場所、宿を提供すること。

    いじめ、嫌がらせの少ない生きやすい世の中に近づくためにも、「無財の七施」の「布施の教え」は、できれば無垢な状態の幼い頃に教わり、年を重ねるほど心に留め続けるべき大切な内容ではないでしょうか。各々が施す側、施される側の立場で考える機会を持つことができるなら、「布施の心」の重要性が分かってまいります。合掌

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「施されたら施し返す」ドラマ半沢直樹の大和田常務

 

 

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