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初転法輪 「四諦」 その1

 初転法輪の普遍的な教えのもう一つが四諦(したい)です。「諦」には真理という意味があり、「あきらめる」は「あきらかにする」ということに繋がり、「諦観」(ていかん)という言葉には、本質をはっきりと見極めるという意味があります。4つの真理が、苦しみの発生と消滅をテーマに考察されています。

 私たちには、迷い、苦しみ、孤独感を感じる日々が必ずやってきます。決して何事も無く幸福感だけで一生を終えることはできません。お釈迦さまは、四諦を苦諦(くたい)・集諦(じったい)・滅諦(めったい)・道諦(どうたい)の四つに分類して考察されています。


 ちなみに「般若心経」では、ちょうど真ん中あたりで「無苦集滅道(むくしゅうめつどう)」として登場します。「般若」の教えでは、「四諦」をも超越することが説かれ、「般若心経」は「四諦」の教えはもちろん「智慧」の教えが網羅されています。「般若心経」がいかに優れたお経かが分かります。「般若心経」を唱えずして仏教の教えは語れないと言ったところでしょうか。 

苦諦とは、この世は、迷い、苦しみの連続であり、自分の思い通りになることばかりではないということにまず気づかなければならないと説いておられます。自分の思い通りに物事が進み調子がよい時、反対に思い通りに進むことなく追い詰められて苦しい時に、自分自身のことを客観視し、この世は苦しみの連続であると認識することは非常に難しいことです。それでも、この世は、苦しみの連続であり、思い通りになることばかりではないことが真理であることを認識することが大切であると説いているのです。

②集諦とは、では苦しみの原因はどこにあるのか。それを知ることが大切であると説いておられます。うまくいかなかったから、自分の思うように物事が進まなかったからではなく、その苦しみの原因の多くは、結果に対する度を越えた執着、欲望、渇愛が自分自身を苦しめていると説きます。そのことに気づくことが大切であるとしています。       

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