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アイナシの花開花

 
 アイナシは、東海地方の一部にしか生育しない自生種のイヌナシと栽培種のナシとの間(アイダ)に生まれた自然交配種であり,その種子はほとんど発芽生育しないとされており,植物学上非常に珍しく貴重なものです。

 府南寺のアイナシは、江戸時代は1本の大樹で,明治中頃に信仰心のない村人により伐採の危機に会ったと伝えられていますが、当時の住職により守り抜かれ、現在は根元から5本の幹が伸びており,高さ10メートル近くに達しています。樹齢300年以上と考えられ、昭和47年4月1日に県の天然記念物に指定されました。

 3月26日の中日新聞(中日春秋)から ; 歌人の穂村弘さんが桜の花が咲きそうになると「変に焦る」と書いていらっしゃる。焦る理由は「いつ、桜を見たらいいのか分からない」どうせ見るのなら「最高の桜」を見たい。いつがいいだろう。迷っているうちにどんどん時間が過ぎてしまい、「その結果、ちゃんと桜を見ないうちに春が終わってしまう」。分かる気がする。せっかく出かけて行ったのに満開を外れ、三分咲き、あるいは散り際だったとなると損をしたようでちょっと悔しい・・・【中略】・・・さて、いつ桜を見るべきかでお悩みの方には穂村さんのよいアドバイスがある。「見に行けばいいのだ。いつでもいい。どこでもいい。」三分でも、散り際でも、それぞれの良さがある。見に行けば、その時が、最高の「今」なのだと。このあたり生きていくコツにも通じるか。

 アイナシの花が咲く時期になると電話での問い合わせをされる方がお見えになります。法務に支障を及ぼす場合がございますのでどうかお電話での問い合わせはご遠慮ください。
 お寺に咲く幾多の危機を乗り越えた歴史ある天然樹木の花です。観光の目的で人工的に植樹された花ではございません。府南寺のアイナシの花は、長い年月が織りなす自然の恵み・ご縁かと思われます。お花見だけでなく、自然と「今」生きていられることに感謝し、お越しの際はご本尊(国府阿弥陀如来、国府千手観世音菩薩)に手を合わせていただきましたら幸いに存じます。できましたら般若心経、阿弥陀如来の真言(オン  アミリタ  テイゼイ    カラウン)、千手観世音菩薩の真言(オン  バザラ  タラマ  キリク)を唱えていただければなお一層心が穏やかになられることでしょう。合掌

 

 

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